「グルテンフリー」をする理由は人それぞれです。
ダイエットや美容目的の人がいる一方で、体がグルテンを受け付けないためにグルテンフリーをする人も大勢います。
「小麦アレルギー」「セリアック」「グルテン不耐性」
上記3つのどれかに当てはまる人は「グルテン」を除去する必要がありますが、体がグルテンに反応するメカニズムや症状には違いがあります。
グルテン不耐性:原因は酵素の欠如
グルテン不耐性の人は、グルテンを消化する「酵素」がないため、グルテンを食べた際に腹痛や下痢などの消化器系の症状が現れます。
乳アレルギーではないけれど、牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしてしまうという人がいますが、これも同じく「乳糖不耐性」といって乳糖に対する酵素がないことからくる症状です。
症状は一時的で軽い傾向にあるのが特徴になります。
小麦アレルギーのような命に関わる症状や、セリアック病のような長期的なダメージはありませんが、グルテンが除去対象であることに変わりはありません。
セリアック病:診断までに10年かかる理由
セリアックはグルテンに対して異常な「免疫」反応が起きる、「自己免疫疾患」です。
セリアック患者の免疫システムは一部故障しているため、「グルテン」が体内に侵入することで免疫が暴走します。
免疫システムの攻撃対象は「グルテン」ではなく自身の体。
小腸のダメージ以外にも、頭痛や皮膚疾患など症状は多岐にわたり、一説には200以上の症状があるとも言われています。
症状があまりにも多いため診断されるのがむずかしく、正しい診断にたどり着くまでに平均で10年かかるとの報告も。
欧米人の罹患率1%と比べると、日本人がセリアックになる確率は0.05%と低いため、珍しい病気と考えられています。
ただ、国内ではセリアックという病気がめずらしすぎるため、診断する医師が少ないのが原因との一節もあるようです。
ちなみに、わたしは海外でセリアック病と診断されました。
小麦アレルギー:命に関わる急性症状も
小麦アレルギーは、グルテンに対して免疫機能が過剰に反応する「免疫異常」です。
免疫システムは体に害となるものを排除する役目を持っていますが、小麦アレルギーの人の免疫システムは、グルテンを「排除しなければいけない外敵」として認識しています。
グルテンを体から排出しようとする際に、炎症性の「ヒスタミン」という物質が体の中で放出され、じんましんや腹痛、呼吸困難などの急性症状が現れます。
攻撃対象がグルテンに限られるため症状の数は少ないですが、症状が現れる時間は数秒から数時間と比較的短いのが特徴です。
グルテンに反応するタイプ別早見表
名称 | 原因 | 主な症状 |
グルテン不耐性 | 酵素の欠如 | おなかのゴロゴロ、下痢、げっぷ、おなら等 |
セリアック | 自己免疫異常 | 消化器系の問題、小腸のダメージ、栄養失調、頭痛、精神疾患、皮膚異常、その他 |
小麦アレルギー | 免疫異常 | じんましん、腹痛、アナフィラキシー、その他 |
グルテンに対する症状や原因に違いはありますが、グルテンを除去しなければいけないという点では、どれも共通しています。
原因を知ることで対処法も変わってくるため、グルテンに反応する原因を知ることはとても大事。
この記事が、あなたのグルテンフリーライフの参考になれば嬉しいです (^^)